気分転換にちょっと遠くの喫茶店まで行ってきた。
駅から距離はあるものの、今住んでいるところより山寄りで自然も多く、歩いていると緑が目に入ってくるのが心地よかった。
やや薄暗い店内にはクラシックが流れ、珈琲の匂いが漂う。こどものころ頻繁に父親に付いて行ったオーディオ店を思い出す。美味しいコーヒーなんて出してくれなかったけど、珈琲の匂いと、主にクラシック。雑多に置かれたものの山、豊富な知識の上でかわされる会話。なんにもわからず端っこでにこにこしてただけだったけど、大好きな場所で時間だった。こういうところが自分の安心する場所なんだなあ、となんとなく今日わかった。
出してもらった珈琲が美味しくて、ホットケーキがあったかくて、ふと ああ、私のために作ってくれたんだな、と思い泣きそうになってしまった。育児と家事、人のためにすることばかりで、あったかいコーヒーは自分で淹れないと飲めないし、ホットケーキだってそう。
ちょっと考えていると多分そんなことなくて、でもそういうことに思い至らなかった。視野が「今日のやることを片付けて終わりにすること」にだんだん絞られていって、狭く狭くなっているのかもしれない。
視野が狭いのは厭だなあ。
ちょっと思いつきで遠くへ行ってみたら、いつもと違う事が考えられた。また、気づいた。気分転換ってこういうことなんだな。モヤモヤが少しさっぱりして、良い気分。次またこの喫茶店でもいいし、他のところでも、もっとほいほい行こうと思った。